チベットを知る会

チベット高原の環境問題

8月19日付のNatureにJaneQiuさんという中国の学者が書いたチベット高原の環境問題の記事がのっていたので、ざっくりと訳しまいた。
http://www.nature.com/news/double-threat-for-tibet-1.15738

幾つか、いかにも中国側の視点だなという部分もありますが、参考までに。

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チベットへの二重の脅威

気候変化および人間による開発が高原の脆弱な環境を危険にさらしています。

チベット高原の包括的な環境アセスメントは、地域がより熱く、より湿潤になっていること、また環境の汚染が生態系を脅かしていることを示しました。

高原およびその周囲の山脈は500万平方キロメートルに及び、北極・南極を除いて世界で最大の氷を保有します。そのため、この地域はしばしば第三の極と呼ばれます。
また、実際の極地と同様に気候変化の影響を示しているが、その速度は実際の極地の2倍の速さでるとその報告書で述べられています。

中国科学院およびチベット自治区政府はラサで8月9日に、高度4,500mの高原が直面する問題についてのアセスメントを発表しました。その中で、降水量が1960年以来12%上昇したこと、温度が10年間で世界平均の二倍の0.4急上昇したことが示されました。

さらに、氷河は急速に縮んでいます。過去10年間で永久凍結層の10分の1が溶けました。
これは、湖の数が1970年以来14%ずつ増大したことを意味します。また、それらの80%以上は周囲の牧場およびコミュニティーに被害を与える形で拡大しました。

チベット高原はアジアの最も大きな川を供給します、したがって、これらの問題は何十億もの人々に影響するだろうと報告書に述べられています。人々の生活および産業廃棄物からの汚染の増大は、さらに大きな問題です。

しかし、アセスメントは、中国及びチベット自治区政府に、その問題と格闘する方法を示唆します。それは環境保護の為の最優先事項を策定することです。その優先事項は、「気候変化を緩和し、開発と保存の間に比較検討するための政策」をデザインするうえで助けになるだろうとチベット自治区政府副主席の孟德利が言います。

「チベットの高原は、より暖かく湿潤になります。」と中国科学院青蔵高原研究所の姚檀棟氏が言います。これは、植物がより高地やより北に拡大していることを意味します。また、植物が成長できる時期はより長くなっています。しかし、アジアの最も大きな川の源流地域のようないくつかの地域は、より暖かく、より乾燥するようになっており、砂漠化および草地および湿地の減少によって厳しい影響を受けています。

人間の活動も上昇中です。チベット高原の人口は2012年には1951年の3倍の880万に達しました。また、家畜の数も倍となり、草地により多くの負荷をかけるようになっています。

都市化は地域が支えれる以上の荒廃を生み出します。チベットには年間256,000トンの固形廃棄物を扱うキャパシティーがあります。しかし、それは2つの最大の都市ラサおよびシガツェで生成される量に足りません。「多くの廃棄物が源流地方を含む高原各地で確認できるでしょう」と氷河学者で蘭州にある中国科学院寒区旱区環境・工程研究所所長の康世昌氏は言います。「それは環境上の脅威です。」

より大きな脅威は採鉱から来ます。アセスメントによれば、チベットの鉱山は2007年に1億トンの廃水を、2009年の1880万トンの固形廃棄物を作り出しました。ほとんどの鉱山が露天掘りの炭坑で、環境上の監視は十分でありません。「空気、水および土壌汚染は特に深刻です」と報告書が述べます。当局は、実際の汚染度に関する詳細をほとんど公表しません。

汚染は地域起源のものばかりではありません。ほこり、炭素、重金属および他の毒性化合物が、アフリカ、ヨーロッパおよび南方アジアから吹きよせられます。ほこりと残留炭素は氷河を融解し、より脆弱に暗くしています。また、有毒化学物質は作物、家畜および野生生物を蝕んでいます。

しかし、採鉱と汚染からの脅威は、氷と植被の変化による潜在的な影響を十分に重く見ていないとアセスメントで言われています。
雪、草地、砂漠といった異なる表層は、それを反映異なる日照を吸収し、それらの上の大気はどのように加熱されますかに影響を与えます。
これは、表層を何が覆っているかの変化がアジアのモンスーンの強さに影響するだろうということを意味します。さらに、氷河や永久凍結層および生態系は水の解放を制御する巨大なスポンジとして働くので、これらへのダメージは下流河川社会の生活に重要な影響を波及させます。「アセスメントの重要性は国境を越えます」とカトマンズの国際総合山岳開発センター長デービッド・モルデンが言います。

1996年から2005年の変化を基準に最良の場合最悪の場合を検討すると、高原の気温は2100年には1.7度から4.6度上昇すると予想されます。都市化および気候変化は厳しく管理することができますが、無統制な開発が高原の環境を荒らすことを研究者は危惧しています。それを防ぐために、中央政府は経済的業績だけでなく環境上の業績も含めて地方公務員を評価しなければならないと報告書では述べられています。報告書では他に、生態系に対する補償、たとえば家畜頭数を減らすために牛飼いたちに払う補償金等は増大するであろうことや、汚染の実態についてよりオープンにしなければならないことが述べられています。

「チベットは、中国がどれくらい真面目に生態学の保護を受けとめるかのテスト・ケースになるでしょう」と姚氏は語ります。
「高原環境の保護は、地域の持続可能な開発だけでなく社会の安定と国際関係にも重大です。」

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