チベット自治区ディル県で、愛国教育に反発し衝突
現在、チベット自治区ナチュル地区ディル県で起きている衝突についてご紹介さ
せていただきます。
9月10日から、ディル県一帯で、中国当局による新しい愛国キャンペーンが始ま
りました。
このキャンペーンを実施する為に、自治区政府やナクチュ地区政府から1万8千人
の役人と1万2人の治安部隊がディル県に集められました。
このキャンペーンでは、共産党への忠誠を示すことを強要され、各家庭や僧院は
中国国旗を掲げることを強制されました。
国旗の取り扱いについても細かく指示され、それを守らない場合は、子供を通学
させることも、病人を病院に連れて行くこともできなくなるという脅しもなされ
ました。
この強引なやり方に反発し、複数の抗議行動が起きています。
9月28日ディル県モワ郷のチベット人が中国国旗を川に流し、役人や警官たちと3
時間に渡り石を投げ合うという衝突がおこりました。
その後、部隊が出動し40人のチベット人が連行されました。
これを知った村人800人が県庁舎前におしかけ、40人の解放を求め、路上で24時
間のハンストを行いました。
その後、チベット自治区共産党書記とナクチュ地区共産党書記が現地に入り40人
は釈放されました。
釈放された全員に激しい暴力を受けた痕が残されており、彼らは拘束中48時間に
渡って食事だけでなく一滴の水も与えられていなかったそうです。
釈放者の一人で、治安部隊による暴行で重体になっていたツェリン・ギルツェン
(25)は10月5日なるまで病院に運ぶことすら禁止されていました。
9月29日夕方から、ディルにある小中学校の生徒約4000人が学校に集まり、この
愛国キャンペーンに対する抗議デモを行いました。
デモに参加した子供たちについては、その後情報がなく、家族は家に帰ってこな
い子供たちの安否を心配しているそうです。
10月6日には、ディル県ダタン郷ウタン村のドルジェ・ダクツェルというチベッ
ト人が抗議活動への関与の疑いで突然当局により連行されました。
これを知った村人たちが彼の解放を求めるために役場前に集まったところ、当局
は話し合いに応じず、発砲しました。
被弾者は名前が判明している者だけでも6人、負傷者の数は合わせて60人とい
うことです。
移動が規制されており負傷者を病院に運び込むことができない状況とも伝えられ
ています。
続報が入りましたら、再度、お伝えします。